新聞報道

    

規格外バレイショ飼料化 環境に配慮し豚肉生産

2011年(平成23年)12月18日

本県のバレイショ生産量は全国2位を誇っている。一方で、傷などの理由により出荷できない規格外バレイショが大量に発生している。これらは、でんぷん質に富み飼料資源として有望であるにもかかわらず、水分が高く保存性が劣ることなどから、これまで有効に利用されてこなかった。

そこで、県農林技術開発センター畜産研究部門は,規格外バレイショの飼料化に取り組み、環境にやさしい肥育豚の飼養管理技術を開発したので紹介する。

@規格外バレイショの保存性向上

本県では年に2回の収穫期に規格外のバレイショが集中して発生する。保存性を高め年間を通じて利用できるよう原料を気密状態で乳酸発酵させ腐敗を防ぐサイレージ化を試みた。その結果、規格外バレイショを細断し脱脂米ぬかと7対3の割合で混合し、水分を60%程度に調整することで長期に貯蔵できることが分かった。

   

A排せつ物からの臭気低減

規格外バレイショサイレージをさらに細かくし、缶詰シロップ液を混合することで、栄養効率が高い液状(リキッド)飼料が生産できる。缶詰シロップ液は規格外バレイショと同様、県内で発生する食品の残りであり、液状飼料は自動給餌装置による大規模経営での利用に向いている。

豚の発育に必要な栄養量に調整した液状飼料は、一般的な飼料に比べタンパク質含量を3割程度落とすことができ、尿への窒素排せつ量が約4割、悪臭の原因となるふん尿からのアンモニアの揮散量が3分の1と、環境負荷軽減効果が確認された。

 

B高品質な豚肉生産

液状飼料により生産された肉質は皮下脂肪の明度(白さ)が高く、味が良くなるオレイン酸含量が高いなどの特徴が認められた。実際に食べることによる食味官能検査でも、一般的な豚肉よりも風味がよく、おいしいと高い評価を得た。

今回紹介した、規格外バレイショの飼料利用による臭気低減や、高品質な豚肉生産技術の普及により、地域未利用資源の利用促進が図られ、さらには飼料自給率の向上や循環型社会の推進に向けた一助になればと考えている。

   

液状飼料を食べる肥育豚

〈〉内は通常飼料に対する割合(%)

(長崎県農林技術開発センター 畜産研究部門 中小家畜・環境研究室 研究員 本多昭幸)