新聞報道

新技術で浮き皮軽減 ミカン温暖化で早熟、病気

2011年(平成23年)6月5日

温暖化は、温州ミカン栽培にも影響している。発芽、開花が早まったり、高温による果実表面の日焼けや果皮と果肉に隙間ができ傷みやすくなる浮き皮(写真参照)などが発生している。農林技術開発センターカンキツ研究室では、気温と発芽、開花との関係について明らかにするとともに、浮き皮などの軽減に有効な栽培技術を紹介する

【気温と発芽、開花との関係

果樹研究部門がある大村市の平均気温は、2001年から10年までの10年間は、1988年から97年までの10年間に比べ0.5度高くなっている。発芽期は品種の一つである「岩崎早生」が2日早く、満開期は「岩崎早生」「興津早生」で2〜5日早くなっている。これにより、平均気温と発芽期・満開期の相関関係が確認された。

【浮き皮果などの軽減技術による早生ミカンの樹上完熟栽培の確立】

9月中旬ごろに果実に植物ホルモンであるジベレリンとジャスモメート液剤との混合液を散布することで、浮き皮やこはん症(果実に虎の斑紋に似た斑点が発生する症状)の発生を軽減し、果実の商品性を高める技術を開発した(グラフ参照)。

この技術を使うことで、浮き皮が出やすい早生ミカンの樹上完熟栽培が可能になる。樹上完熟とは、通常の収穫期より一か月以上長く樹上で果実をつけたままにしておく栽培方法で、食味の向上が期待される。しかし、皮の着色も遅れるため、収穫時期を遅らせる樹上完熟栽培にしか使えないので注意してほしい。

今後も、日焼け果や秋になっても芽が伸びる秋芽の発生など、温暖化による問題の原因解明と、これに対応する技術確立を進め、長崎県の高品質みかんの生産に役立てていきたい。

         

       

  

       

混合液散布による浮き皮果軽減効果

 

(長崎県農林技術開発センター果樹研究部門カンキツ研究室 主任研究員 荒牧貞幸)