新聞報道

アベマキ原木のシイタケ栽培 
対馬で試験 成形駒で生産量16%増

2010年(平成22年)11月7日

九州本土と韓国の間に位置する対馬には、冷涼な気候からシイタケの原木となるコナラやアベマキなどが多く自生し、県内の99%を占める原木乾(ほし)シイタケの生産地となっている。

対馬の乾シイタケの特徴は、冬寒く湿度が低いため、「森林(もり)のアワビ」といわれるこりこりした食感の厚肉のドンコが採れることである。また、“花ドンコ”と言われるかさに美しい模様が入るシイタケも多く採れる。特に、対馬に自生するアベマキを原木に使うと、コナラを使った場合に比べ、大きい厚肉のシイタケが採れるが、生産量が少ないという課題がある。

そこで、農林技術開発センター森林研究部門では、アベマキ原木でも質・量ともに確保できる技術開発に向け、原木シイタケ栽培に使う種駒に注目し、近年開発され、従来の「木片駒」より生産量の増大が見込まれる種駒「成形駒」の効果について対馬での現地試験を行った。成形駒はオガクズに菌培養し成形した種駒、木片駒は木片に菌を培養した種駒である。

その結果、アベマキ原木に成形駒を使ったシイタケの生産量は、従来のコナラ・木片駒での生産量の16%増と遜色(そんしょく)ない結果であった。これは、木片駒を使った場合より48%多い。さらに生の重量で1個25c以上の大きなシイタケの発生割合はコナラ・木片駒よりも多い傾向となった=グラフ参照=

アベマキを原木として使用している生産地は少なく、この成果が生産量の増加や他産地との差別化に貢献することが期待される。

対馬での乾シイタケの生産量は増加傾向にあり、今後とも試験研究を通して生産者を支援していきたい。

              

        

試験に使用した原木と種駒

       

    

対馬のドンコ

    

     

(長崎県農林技術開発センター森林研究部門 専門研究員 田嶋 幸一)