農業経営用語100の知識                 長崎県総合農林試験場経営部経営科
     
育成価
   

大植物や大動物の育成過程で投下された年々の育成純費用の累計額である。つまり、年々の育成純費用(=育成粗費用−生産物粗収 益)がゼロになる時、あるいはプラスからマイナスに移行する時までを育成過程といい、この間における育成純費用の累計額を育成価という。すなわち、その育成期間の年次毎に投入された費用(種苗肥料、薬剤などの材料費、労働費、減価償却費及び修繕費、地代、資本利子)などから生産物価額を控除した育成年次毎の育成費の累計額が育成価である。

 

売上高利益率
   

売上高に対する利益の割合を示すものであり、1単位の売上によって、どれだけの利益が得られたかがわかる。資本回転率が同一ならば、売上高利益率が高いほど資本利益率も高くなる。売上高と対比する利益には、純利益、営業利益、売上総利益の三つがある。

 

外給的費用(農業経営費)
   

その経営体の外部から提供された要素ならびに用役に対する費用である。例えば、雇用労働費、減価償却費、購入肥料費、購入飼料費、借入地地代、借入資本利子などである。

 

  家族労働費
   

生産費調査では、農産物の生産に従事した、各人別実労働時間を調査したものに、各人別の労働能力を乗じて能力換算労働時間を算定し、それに、月別、男女別「農村雇用賃金」を乗じて評価額を家族労働費としている。

 

  家族労働報酬
   

農業所得から自作地地代と自己資本利子を取り除いたもので、経営の中から家族労働だけを取り出し、そこに帰属する成果がどれだけあったかを見るための指標である。

 

  監督能力(トップマネジメント)
   

経営における決定−指令−指示機能を指す。
担当者としては、全ての管理活動を総合する判断を必要とする企業の最高首脳部がこれにあたる。
 固有の機能は、@長期的問題の解決 A企業全般に関係する問題の解決 B重要な価値判断を伴う問題の解決
その結果は、企業の存在そのものに影響を与える性質のものであると考えられている。

 

期間借地
 

1作分の栽培期間だけ他人から耕地を借り、収穫が終われば直ちに所有者に返還する耕地をいう。1作小作、裏小作などとも呼ばれ、耕地は所有農家の経営耕地に計上する。
 過去1年間に1作しか作付けしなかった耕地をその1作の期間借り入れた場合は、借入耕地として取扱い、期間借地とはしない。


  基幹的農業従事者(自家農業に主として従事した世帯員のうち仕事が主の人)
 

 

自家農業に主として従事した世帯員のうち、ふだんの主な状態が仕事が主の者である。ふだんの主な状態は調査日前1年間に、通常人が活動する時間にその人は主に何をしているかによって、主に仕事に従事する人、主に家事や育児に従事する人、その他に区分している。

 

  基幹男子農業専従者(60歳未満の男子農業専従者)
   

16歳以上60歳未満の男子世帯員で、自家農業従事日数が150日以上の者である。
 なお、農業白書等では、農業生産の中核的担い手として基幹男子農業従事者のいる農家を中核(的)農家と呼んでいる。


  技術係数
   

試算計画法や線形計画法などで投入・産出関係を表現する際にある生産部門の生産量を1単位増加させるのに必要な生産要素の投入量のことである。例えば、水稲の生産量を1単位増加させるのに5〜10月にかけて、水田が10a必要ならば「水稲作の5〜10月にかけての土地に関する技術係数は10a」、さらに田植え作業に5月期の労働が5時間必要ならば「水稲作の5月期の労働に関する技術係数は5時間」などと表現する。

 

  規範分析
   

過去及び現在の分析に基づいて、経営の将来の姿は「こうあるべき」と描き出すことであり、経営の目標付け、もしくは方向付けを前向きに行おうとすることである。


  競合関係
   

競合、補合、補完という用語は農業経営における経営部門間または作目間の相互の関連がどうなっているかを現すのに用いられる。
 競合関係とは、経営内において諸部門あるいは作目が生産に必要とする生産要素の利用の面でかち合う場合をいう。たとえば、夏作の陸稲とタバコ作、冬作の大麦と菜種作等々の間では土地利用あるいは労働利用の面で相互に競合がみられる。
 競合関係にある諸部門を経営内に共存させることは、生産要素の利用度の低下を招くことになるので、「比較有利性」の関係から、それらを整理する必要がある。


経営改善
   

経営の目標を合理的に達成するために、経営要素である土地・資本・労働力を整備し、経営に導入される作目の編成を改善し、技術の高度化による生産能率の向上と収益性の増大を図ることをいう。


  経営管理
   

経営の組織体を作り、それを運営すること。この経営管理の職能は@計画A組織B指揮C調整D統制の5つの要素から成っているとされる。経営の大規模化に伴い経営職能が専門化されたため、専門家的経営者の出現が要求されるようになった。


  経営組織
   

農業経営における生産部門の組み合わせをいう。農林水産省統計情報部では、1作物の現金収入が農業現金収入合計の60%以上を占める場合を単一経営、他を複合経営と称している。

 

  経営形態
   

広い意味では、社会的・歴史的に形態を異にする農業経営を類型的に区分してとらえる場合をいう。しかしこの用語はかなりさまざまの意味に使われ、経営方式や経営組織などの用語と内容的にはほとんど同義に用いられることが多い。広い意味に理解すると、経営組織、土地利用方式、経営規模、経営集約度などが農業経営形態をとらえる基本的指標になると考えられる。またこの他、農業経営を家族経営、資本家的経営、共同経営というように経営主体によって
区別するときや、自作農、小作農というように土地所有の側面から区別するときに用いることがある。さらに専業経営、兼業経営などという区別もその一例である。

 

  経営計画
   

経営の成果をできるだけ高め、経営の目的をもっと合理的に達成できるようにその手順を明らかにするのが経営計画である。したがって、経営計画は将来に関するものであるから、的確な情報収集活動に基づく予想と経営の現状分析が前提条件となる。 ところで、経営計画の中には、@自分の経営の現状認識、Aその現状がそのまま推移すれば将来どのようになるであろうかということについての判断、Bもっと望ましい経営はどのような経営であるかという判断、C望ましい経営にするにはどうしたらよいかという判断、などが含まれる。@〜Bがいわば経営診断ないし経営分析の 部分であり、Cがいわゆる経営設計にあたる部分である。なお経営の方向を示す長期計画(5〜10年)と当面の課題をとりあげる短期計画(2〜3年)とがある。

 

  経営資本利益率
   

営業利益は生産・販売という経営活動から生れたものであるから、営業活動に直接投じられた資本の青果をみることができる。
経営資本は総資本から建設仮勘定・投資・繰延勘定など営業活動に直接利用しない額を差引いたものである。
経営資本利益率は平均利子率を上回っていることが目安となる。
経営資本利益率=営業利益÷経営資本×100

 

  経営者労働報酬
   

粗収益から物財費、地代、資本利子の他、経営者以外の家族の労働費を差し引いたもの。

 

  経営耕地
   

農家が経営する耕地(田、樹園地、畑の合計)をいい、自己所有土地と借入耕地に区分される。農林業センサスでは、経営耕地の取扱いを以下のようにしている。
1.借入耕地は借入側の経営耕地とする。したがって、請負耕作や委託耕作などと呼ばれるものであっても、実際は、一般の小作関係(経営委託)と同じと考えられる場合は、その耕地は借り受けて耕作している農家の経営耕地(借入耕地)とする。
2.作業委託は委託者の経営耕地とする。
3.裏作小作(期間借地)の場合は表作をしている側の経営耕地とする。
4.貸付耕地の場合は、貸付側の貸付耕地、借入側の経営耕地(借入耕地)とする。
5.牧草だけを継続的に栽培している土地は、@牧草播種後何年経過していても、施肥補はんなどの肥培管理をしているもの及びAここ数年間肥培管理をやめてしまっている牧草地でも、近く更新することが確定しているものは経営耕地(畑)とする。
6.災害地であっても復旧の見込みがあれば、経営耕地に含める。
7.新墾地の場合は、収穫の有無にかかわらず一度でも作付けしたものは経営耕地に含める。
8.畦畔の面積は経営耕地に含める。


  経営者能力
   

技術的能力と経済的=企業的能力の二つに区別し、前者は単なる技能的技術ではなく、管理者としての経営技術であり、後者は資本を調達する社会的信用力、投資能力などを意味している。生産物の価値実現をできるだけ有利にもっていくには、市場対応能力が重要である。これらの能力は、他の経営と比較することができ、優劣をつけることも可能であり、経営者の客観的条件である。
 経営者の意志は、経営の目標、予想、選好といった経営者個人の主観的な面である。経営のそれぞれのタイプは、多くは経営者意志によって形成されるが、その目標、予想が妥当であるか否かを判断する能力が必要であり、それが意志決定の基礎になるのである。
 経営者能力は、生産力発展に伴ってますます高い水準が求められている。

 

  経営診断
   

経営の実態を調査把握し、その組織ならびに運営上の欠陥なり、問題点の発見と原因の追求にとどまらず、さらに改善の方策を示すことをいう。

 

  経営設計
   

個別経営・営農類型、または経営の理論モデルを対象として経営目的達成の手段を具体的に示すものをいう。試算計画法、線形計画法等の手法が開発され、コンピュータの利用により広く普及しつつある。

 

  経営組織
   

経営が生産している各種の作目(作物・家畜)の組合せのことを経営組織といい、一般的にはその経営の中心的または代表的な作目名で呼ぶことが多い。例えば、水稲作経営、酪農経営、果樹経営という呼び方である。また、その経営の「何を生産しているか」という生産方向の側面を捉えたものも経営組織である。なお、経営方式という用語があるが、これは作目の組合わせだけでなく、生産手段の利用体系までも含めて考えられる経営のパターンのことである。


  経営分析
   

財務諸表などの経営資料をもとに、その会社の成長性、収益性、生産性、安定性、営業効率などの諸要因を分析し、その経営の戦略や管理が正しいかどうか、機能しているかどうかを判断することである。

 

  経営要素 (生産要素)
   

経営をなりたたせる要素であり、生産要素とも呼ばれる。経営要素は、大きく労働力と資本財に分けられる。資本財は、土地をはじめ生産に用いられるあらゆる物財のことで、生産要素における労働対象(労働が働きかける対象:作物・家畜・肥料など)と労働手段 (農具・機械・大家畜など労働の補助手段となるもの)にあたる。

 

  経営の集約度
   

農業を経営するに当たり、一定の経営耕地面積に対して、より多くの生産手段または経営資本や労働力を投入することによって多くの生産をあげることを集約的といい、反対の場合を粗放的という。
集約的かどうかを表す指標として農家経済調査では一定の経営耕地面積に投下される労働量と資本額(農業固定資本額)で表している。
経営耕地面積10a当たり労働時間=(農業労働時間÷経営耕地面積)×10
10a当たり農業固定資本額(1,000円)=(農業固定資本額÷経営耕地面積)×10


  兼業農家
   

世帯員のうちに兼業従事者が一人以上いる農家をいい、第1種兼業農家と第2種兼業農家に区分される。
1.第1種兼業農家
兼業農家のうち、自家農業を主とする農家をいう。この場合の主従は、原則として自家農業所得と兼業所得のいずれの所得が多いかによる。
2.第2種兼業農家
兼業農家のうち、自家農業を従とする農家をいう。


  減価償却
   

固定資産(土地を除く)は使用あるいは時の経過によって消耗、摩損、老朽し、漸次、価値を減損していくが、この減価を使用に耐える一定の年数(耐用年数)内に一定の割合をもって費用として計上し、固定資産に投下された資本の回収を行う会計手続きをいう。


  減価償却費
   

固定財の価値を回収するため、飼養ならびに時の経過による物質的減価および経済的減価を考慮して、各決算期ごとに計上される費用をいう。

 

作放棄地
   

面積調査では調査方法が対地調査という属地調査であり、個々の耕地につき、その経営者の意思を聞き出すことは非常に困難であるので、耕作放棄したか否かは、現地において耕作状態から判断して区分する、この場合の判定基準は既に2か年以上耕作せず、かつ将来においても耕作しえない状態の土地は耕作放棄として耕地から除外し、2か年未満の場合は休閑地とする。

 

  耕地の傾斜度
   

1.平坦地・・・・自然傾斜5度未満の畑
2.緩傾斜地・・自然傾斜5度以上10度未満の畑
3.傾斜地・・・・自然傾斜10度以上15度未満の畑
4.急傾斜地・・自然傾斜15度以上の畑
5.段畑
 その筆(または団地)の自然傾斜15度以上で、段階工を施して著しい自然傾斜を緩和しているもので、筆(または団地)が少なくとも4段以上に分かれ、自然傾斜の3分の1以上を段によって少なくしているものをいう。

 

  固定費
    不変費ともいう。一定期間中に生産する数量の増減に関係なく、常に必要な一定の費用である。

 

  固定比率
   

固定資産(設備投資)が自己資本でどの程度賄われているかをみる指標であり、次式によって求める。
 固定比率=固定資産÷期首・期末(自己資本)平均×100


  固定資産長期負債率 (固定長期適合率)
   

自己資本と固定負債に対する固定資産の比率である。固定資産を自己資本だけで調達できない場合にも、その不足分を長期借入金固定負債)によって調達するならば、財務の安全性が損われることは少ない。特に、農業分野において長期・低利の制度融資が用意されている場合には、固定資産と(自己資本+固定負債)との割合を示すこの比率の意義は大きい。この比率は一般に固定比率と同じ考え方にたっているため、 100%以内であれば、財務の安全性が保たれていると判断できる。
 固定資産長期負債率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100


  個別経営体
   

個人または一世帯によって農業が営まれている経営体であって、他産業並の労働時間で地域の他産業従事者と遜色ない生涯所得を確保できる経営を行い得るものをいう。

 

試算計画法
   

この方法は、@ある方式で示された経営収益の最大化を目標とし A一定量の経営諸要素の利用方式、いいかえれば経営方式に関する代替案を作成し、Bこれらの代替案を試算して、@で示される経営目標への貢献度を算定し、Cこれらの貢献度を相互に比較して、最も好都合な案を一つ選択するものである。従って、この計画法はいかに適正な代替案を作成できるかがその有効性の鍵を握っている。


  資本回転率 (回転数)
   

資本利益率は、売上高利益率と資本回転率との積であるから、資本利益率の良否の原因を明らかにするためには、売上高利益率と並んで資本回転率の分析を行うことが必要である。

 

  資本純収益
   

土地と労働に対して代価を支払った後に残る資本に対する報酬で、資本利子と利潤からなる。

 

  資本収益率
   

 経営者の農業所得からその見積労賃分を差引いた残額を資本投下額で割った値。企業的農業経営では、経営の収益力ないしは収益性を示す指標となる。

 

  資本生産性 (農業固定資本)
   

投下資本のうち、固定投下資本1単位当たり生産額をいい、投下資本効率を表す指標である。農家経済調査では、農業の内部または他産業との間の投下資本の効率を比較する指標として、農業固定資本額1,000円当たり農業純生産として表している。
 農業固定資本額1,000円当たり農業純生産(円)=(農業純生産÷農業固定資本額)×1000

 

  資本装備率
   

生産過程において、労働と資本のみに注目して、投下された労働量に対してどのくらいの資本設備がなされているかを測るものであ
る。具体的には、労働者1人当たりに固定資本がどのくらい存在するかとか賃金単位でどのくらい資本が存在しているかで測られる。

 

  資本利益率
   

資本利益率は企業経営における収益性判定の最高指標であり、そのため企業経営では資本を投下して、その資本に対する報酬を最大限に獲得することを目標にしている。家族農業経営では所得追求が目標であるが、家族労働を雇用におきかえても経営が成立するかという企業的経営の検討も必要である。


  資本利子の計算
   

資 本 額
・流動資本=「種苗費、肥料費、農業薬剤費、光熱動力費、その他の諸材料費、土地改良及び水利費、賃借料及び料金、物
件税及び公課諸負担、建物(施設)修繕費及び購入補充費、農機具修繕費及び購入補充費、生産管理費」の合計にN(平均資本凍結期間6ヶ月)を乗じたものを流動資本とする。
・労働資本=「家族労働費」と「雇用労働費」の合計にN(平均資本凍結期間6ヶ月)を乗じたものを労働資本とする。
・固定資本=「建物及び構築物、農機具、生産管理機器」の調査作物の負担部分現在価を固定資本とする。
資本利子
・自己資本利子=総資本額から借入資本額を差し引いた自己資本額に年利率4%を乗じて計算する。
・支払い利子=調査期間内に支払った額を計上する。

 

  集約化
   

単位土地面積当たりに労働や資本を多く投下することで、経営規模拡大の一方法である。一般に肥料の増投、改良品種の採用、土地利用度の増進などの手段がとられるが、なお経営における労働手段など、技術の改善とあいまって集約化はより進められる。


  集約度
   

一般に単位土地面積当たりに投下する労働および資本の多少の程度をいう。集約度の表し方のうち、単位土地面積当たり労働や肥料などの投下量で示す物的集約度と経営費総額などで示す貨幣的集約度が主要なものである。

 

  自己資本利益率
   

当期の利益を獲得するために投入された自己資本に対してどれだけの利益をあげたかをみる指標であり、次式によって求められる。
 自己資本利益率=純利益÷自己資本×100


  自己資本比率
   

総資本に対する自己資本の比率である。総資本の中で自己資本の比率が大きく、負債の比率が少ないほど財務が安定的といえる。しかし、自己資本だけに依存していたのでは規模拡大が困難である。一般にはこの比率は50%以上が望ましいといわれているが、必ずしもこれにとらわれる必要はない。この比率を常に自覚し、自己資本率を高める努力が必要である。
 自己資本比率=自己資本÷総資本×100


  自己比較法 (自系列比較法)
   

自分の経営の過年度の実績または将来の経営目標と比較する方法をいう。

 

  自作地の地代
   

地代は、土地所有者である地主に対して土地の使用権として、借受人が支払う料金である。また、耕作者が自分の土地を耕作する場合にも潜在的に発生する性格のものである。自作地地代は類地(対象作物の作付地と地力などが類似している作付地)の借地料によって評価し、対象作物の負担率を乗じてその作物が負担する地代を算出する。

 

  純収益
   

粗収益から物財費と労働費を差し引いたもので、生産で実質的に消耗された価値からどれだけの新しい価値が生み出されたかを意味している。

 

  準単一複合経営農家
   

複合経営のうち、一つの部門の販売額の割合が総販売額の60%以上80%未満の農家をいう。これは単一経営、複合経営の基準を改訂したことに伴い、従来の区分との連続性等を考慮して設けられたものである。

 

  人口集中地区 (DID)
   

 人口集中地区(DID)は、市部・郡部別地域表章が町村合併、新市の創設による市域の拡大などにより、必ずしも都市的地域と農村的地域の特質を明瞭に示さなくなった事情にかんがみ、昭和35年国勢調査で初めて設定された。昭和60年国勢調査の人口集中地区の設定に当たっては、@昭和60年国勢調査調査区を基礎単位地域として用い、A市区長村の地域内で人口密度の高い調査区(原則として人口密度が1q2 当たり約4千人以上)が隣接して、B昭和60年国勢調査時に人口5千人以上を有し、C人口密度が1q2 当たり4千人以上となる地域を構成する場合、この地域を「人口集中地区」とした。
 なお、人口集中地区が都市地域を表すという観点から、人口の少ない公共施設、産業施設、社会施設等のある地域を人口集中地区に含めているため、個別の人口集中地区の中には、人口密度が1q2 当たり4千人に満たないものがある。

 

生産性
   

生産力を測る具体的な尺度であり、生産能率の指標でもある。
 農業の生産性は、本来農業労働の生産性にほかならないが、農業生産においては土地は最も基本的な生産手段であり、土地の農業に占める位置と役割が大きいため、単位面積当たりの生産額をもって土地生産性ということが多い、重要な特定の生産要素につきその単位当たり生産額をもって、その生産性と呼ぶことがある。しかしその場合、生産性が比較指標として有効であるために次のような値で示されるのがよい。
 労働生産性=農業純生産÷投下農業労働時間
 土地生産性=農業純生産÷農業経営土地面積
 資本生産性=農業純生産÷農業投下資本額

 

  生産費
   

特定の個別生産経済において、生産対象としての生産物の生産のために支出し、あるいは経済的犠牲を強いられたものの総てを合計したものであり、これを生産物1単位当たりでみたものである。


  線形計画法
   

この方法は、計画案の優劣を表す基準(例えば利益)を一次式で表し、また、計画立案に際して考慮すべき種々の制約条件を一次不等式または等式で表し、これらの制約式のもとで最も望ましい計画案を数学的に求める方法である。農家の保有する土地、労働力、資金などの制約量(利用可能量)、各作物の10a当たりの労働時間や収益(収量、価格、経費)のデータが必要になる。これらのデータが得られれば土地、労働力、資金などの制約条件のもとでできるだけ所得が大きくなるような各作物、品種の作付面積などを計算することができる。

 

  専業農家
   

世帯員中のうちに兼業従事者が一人もいない農家をいう。「農林統計に用いる農家分類」では、専業農家の内訳として16〜64歳の男子世帯員がいる専業農家を「うち男子生産年齢人口のいる世帯」と して区分している。

 

組織経営体
   

複数の個人または世帯が共同で農業を営むかまたはこれとあわせて農作業、受託等を行う経営体であって、その主たる従事者が他産業並の労働時間で地域の他産業従事者と遜色ない生涯所得を確保できる経営を行い得るものをいう。

 

  総資本利益率
   

他人資本と自己資本の合計額にあたる総資本に対する純利益の割合であり、経営活動に運用された全資本の能率を表す。
総資本利益率=純利益(当期純利益+他人資本利子)÷総資本×100
当期純利益=自己資本利子+企業利潤
他人資本利子・・他人資本に対する成果
総資本=期首+期末÷2(貸借対照表の貸方の合計・・負債+資本)
 総資本利益率は高いほどよく、一般の預金金利水準を上回ること が目安であり過去の利益率や他の経営と比較して成績を判定する。

 

  損益計算書
   

一会計期間における経営成績を示し、関係者に報告する報告書であり、総ての収益とその実現のために発生した総ての費用を対応表示させ、当期純利益または純損失を計算する。PLとも呼ばれる。


  損益分岐点分析
   

ある一定の売上高のときにはいくら費用がかかり、損益はいくら生じるか、また、ある一定額の利益をあげようとすれば、売上高をいくらにし、費用をいくらに抑える必要があるかなどの関係をみるときにも使われる。本来、損益計算分析において用いられ、経営活動の目標をたてるためのものであるが、農業経営の場合でも生産費を用いて損益分岐点を計算し、部門経営さらには、農業経営分析の指標として広く活用されている。


  損益分岐点
   

生産物の売上高と費用が等しく、利益も損失も生じない採算点をいい、広義には、売上げ、費用、損益の関係、つまり採算の関係をいう。売上高が損益分岐点以下に減少すると損失が生じ、反対に損益分岐点以上になると利益が発生することになり、損益分岐点は損失と利益との分かれ目になる売上高そのものであり、ある一定額の利益をあげようとすれば、売上げをどれだけにし、費用をどれだけにおさえるようにしなければならないかといった農業経営分析上の指標となる。損益分岐点は次の次式によって求める。
  損益分岐点=  固 定 費÷( 変 動 費÷( 1−売上高<粗収益>))
 この場合の固定費(ないし一定費)とは、建物費、農機具費、家族・年雇労働費等のような生産量の多少にかかわらず常に発生し、しかもその発生額がほぼ決まっている費用であり、変動費(ないし比例費)とは、肥料費、農業薬剤費、臨時雇労働費のような生産量の増減に伴ってその額も増減する費用である。

 

  損益分岐点比率 (F−M比率)
   

不況抵抗力を表すもので、固定費を実際売上高または計画売上高から変動費を差し引いた額で割った割合はF−M比率と呼ばれ、このF−M比率は小さいほどよく、企業の安全度を判断する目安となる。
 不況抵抗力=損益分岐点売上高÷実際売上高×100
 損益分岐点比率の目安は、
@実際売上高に対して損益分岐点売上高60%未満・・・・・・安泰
A実際売上高に対して損益分岐点売上高60〜70%未満・・健全
B実際売上高に対して損益分岐点売上高70〜80%未満・・やや健全
C実際売上高に対して損益分岐点売上高80〜90%未満・・要注意
D実際売上高に対して損益分岐点売上高90%以上・・・・・・危険

 

第1次生産費
   

農畜産物の生産に要した費用合計から副産物価額を控除したものをいい、費用の性格からいえば生産的性格のものである。

 

  第2次生産費
   

第1次生産費に資本利子及び地代を加えた額をいう。


  貸借対照表
    経営の財政状態を簡潔に明らかにするために、一定時点(期首、期末)における経営体の資産及び負債・資本の内容と現在高を一定の形式で示したもの。

 

  単一経営農家
   

農産物販売収入1位の部門の販売金額が、総販売金額の80%以上を占める農家をいい、稲作、麦類作、雑穀・いも類・豆類、工芸農作物、施設園芸、野菜類、果樹類、その他の作物、酪農、肉用牛、養豚、養鶏、その他の畜産、養蚕に区分される。


地域営農システム
   

中大型トラクタ、コンバインなど高度化した生産力体系と平均約1haの零細経営規模との矛盾の克服や地域農業の担い手の脆弱化とそれによる農地の効率的利用の低下の防止等を目的として、一定の地域を範囲とし、農地、農業用機械・施設、農業労働力などの最適利用を図り得る効率的な生産とそのための地域的な調整・マネージメント機能を一体的に行う経営方式をいう。
 具体的には、@経営感覚に優れ、地域農業において中核的役割を果たし得る農家やそれらを中心とする生産組織を地域農業の担い手として明確に位置づけ、A地域調整(合意形成)機能の発揮による農地の賃貸借、農作業の受委託等を通じてこれらの担い手に農地を集積し、B実現性のある農業振興方策を定め、農業生産資源の最適利用を図り得る効率的な生産システムを構築し、地域農業の振興を図っていく仕組みのことである。

 

  地域マネージメント
   

地域農業(集落、市町村等)を単位としてそれを経営、管理、運営することをいう。地域における将来方向を明らかにし、組織化や
土地利用等により、生産性の高い農業を構築していくリーダーが重要となっている。地域農業のリーダーのタイプは、@地域農業を方向付ける(仕掛人)、A地域合意を取付ける(まとめ役)である。


  畜産物の生産費
   

畜産物の生産費は牛乳、鶏卵、子牛、肥育牛、子豚、肥育豚、ブロイラーおよび乳用雄育牛のそれぞれ一定単位量を生産するために費やされた貨幣金額のことである。具体的には生産物の生産に費やされた消費財(飼料、医薬品、光熱動力費など)、および固定資本財(建物、農具、搾乳牛、繁殖雌畜など)の用役、飼育管理を中心とする労働用役についてのそれぞれの評価額の合計である。


  地代の計算
   

地代は土地所有者である地主に対して土地の使用権として、借受人が支払う料金である。また、耕作者が自分の土地を耕作する場合にも、潜在的に発生する性格のものである。生産費調査においては、借入地の地代は実際に支払った借地料、自作地については類地(対象作物の作付地と地力などが類似している作付地)の借地料によって評価し、対象作物の負担率を乗じて、その作物が負担する地代が算出されている。対象作物の負担率は、対象作物の作付位置にその対象作物の計算期間中に他の作物が作付けられた場合は、その作物の種類毎に粗収入(生産量×単価)を調査し、その対象作物をも含めた各作物の粗収入価格の累計と対象作物の粗収入価額の比率によっている。この場合の単価は対象作物については、収穫時の時価とされている。


  中間生産物
   

農業経営の内部において、直接販売されず原料として使われる生産物のことをいう。生産物は@直接販売、A家計仕向、B飼料または肥料、C加工原料などに仕向けられる。このうち@とAは直接に販売または消費に向けられるものであるから経営にとっては最終生
産物である。これに対してBとCは飼料に向けられる飼料作物と自家の加工原料になる作物は最終生産物となる畜産物ないし加工品の原料になるのであって、これらを中間生産物という。


  直接比較法
   

他人の経営(地域の多数の経営の平均的な実績や優良経営の実績)と比較する。

 

土地生産性
   

土地生産性とは、土地のもつ生産力の程度をいい、産出量をその生産に投入した土地面積で除した土地面積1単位当たりの産出量で示される。土地生産性は、土地の生産力を表すもので、その土地の経済性を他の土地と比較する際の指標として用いられる。なお、農家経済調査では、土地生産性は、経営耕地面積10a当たり農業純生産で表している。
  経営耕地面積10a当たり農業純生産(1,000円)=(農業純生産÷経営耕地面積)×10


  土地利用率
   

土地の利用の程度を示す指標であり、耕地率、作付率の2つによって表される。前者は、経営農地面積に対する耕地面積の割合である後者は耕地の利用度を表すものであって、耕地面積に対する延作付面積の割合で表される。

 

  土地純収益
   

粗収益から費用合計と資本利子を差し引いたものをいい、地代負担能力を示す指標。

 

  特化係数
   

ある経済活動について、全地域の分布に対し対象地域ではどんな部門に偏っているかを示す指標である。
 特化係数の値は、対象地域の対象部門の構成比を全地域における対象部門の構成比で割ることによって求められる。例えば、B県におけるA町の農業粗生産額のY作目の特化係数は次により計算される。

A町のY作目農業粗生産額特化係数
=(A町のY作目農業粗生産額÷ A町の農業粗生産額合計)÷(B県のY作目農業粗生産額÷B県の農業粗生産額合計)

この場合、A町のY作目の構成比がB県のY作目の構成比より大きいときは、A町のY作目の特化係数は 1.0より大きくなり、A町の農業生産は県平均に比べてY作目に特化しているという。このように、特化係数はA町の農業生産の特徴を明確にするだけでなく、これを時系列に計算すれば動態的な変化をみることもでき、かつ農業構成の変化、主産地化の方向などを検討することができる。

 

内給的費用
   

その経営体の中から提供された要素ならびに用役に対する費用である。例えば、家族労働費見積額、自給肥料費、自給飼料費及び自作地地代、自己資本利子などである。

 

農企業利潤
   

利潤の項参照

 

  農業所得
   

農業粗収益から農業経営費を差し引いたものをいう。農家は家族労働力、自己所有の土地、資本を利用して農業経営を行うが、農業所得は、その農業生産活動の成果であって、農家の所有する生産要素に対する総合報酬であり、家族労賃、自己資本利子、自作地地代が含まれる。

 

  農業経営費
   

農業粗収益をあげるために用いた一切の経費をいい、生産に投入した肥料、農薬、飼料などの流動的経費及び当該経営年度の負担すべき建物、農機具など固定資産の減価償却費からなっている。したがって、自己所有の生産要素である自作地の地代、自己資本利子、家族労賃は含まない。また、農業経済調査では、自家農産物であって、再び農業経営に消費されたいわゆる中間生産物は、農業経営費には算入しない。

 

  農業純収益
   

純収益の項参照

 

  農業純生産
   

粗収益から物財費を差し引いたもので、農業生産で新たに付け加えられた価値の合計額である。農業純生産も投下生産要素単位当たりに換算すると生産性を表す指標となる。農家経済調査では農業純生産をそれぞれ農業投下労働時間、経営耕地面積、農業固定資本額で除して、労働生産性、土地生産性、資本生産性を計算している。

 

  農業所得
   

農業粗収益から農業経営費を差し引いたものをいう。農家は家族労働力、自己所有の土地、資本を利用して農業経営を行うが、農業所得は、その農業生産活動の成果であって、農家の所有する生産要素に対する総合報酬であり、家族労賃、自己資本利子、自作地地代が含まれる。

 

  農業粗収益
   

農業経営によって得られた総収益額をいい、当該期間の農業経営の成果である。農業粗収益には、耕種、養蚕、畜産などの農産物の販売収入、家計に仕向けられた農産物の価額のほか、農機具、農用自動車など農業用生産手段の一時的賃貸料なども含んでいる。
 なお、農業粗収益は、農業現金収入、現物外部取引価額、農業生産現物家計消費額、年度末未処分農産物の在庫価額及び動植物の成長、新植による増価(加)額を加算した合計額から、年度始め未処分農産物在庫価額を差し引いて求められる。

 

  農業生産組織
   

複数(2戸以上)の農家が農業生産過程における一部もしくは全部についての共同化・統一化に関する協定の下に結合している生産集団または農業経営や農作業を組織的に受託する集団をいう。
1.栽培協定
 作物等の生産について品種の統一を主目的とし、播種期、施肥、水管理、防除、収穫(畜産部門にあたっては飼養管理)など生 産過程における農作業等の基本事項に関する約束(協定等)に基づき組織的な生産を行うことをいう。
2.共同利用
 約束に基づいて、組織として機械・施設を購入あるいは借り入れし、これを共同利用することをいう。複数の農家が機械・施設を共同名義で保有している場合であっても、複数の農家利用等について明確な約束もなく、専ら構成農家の個々の利用に供している場合は共同利用として扱わない。
3.受託
 約束に基づいて、一部または全部の農作業を組織で受託し、受託料金を収受している場合をいう。
4.協業経営
 2戸(法人格の有無にかかわらず)以上の世帯が共同で出資し、一つ以上の農業部門の生産から生産物の販売、収支決算、収益の分配に至るまでの経営のすべてを共同で行うことをいう。


  農業専従者
   

専ら自家農業に従事している者であり、過去1年間に自家農業に従事した日数が 150日以上の者をいう。なお、ここでいう1日は8時間を目安としており、半日ずつ2日間自家農業に従事した場合、自家農業に従事した日数は1日に換算する。ただし、1日に8時間
以上働いても1日とする。

 

  農業就業人口 (自家農業に主とし て従事した世帯員)
   

16歳以上の農家世帯員のうち、@自家農業のみに従事した者、A自家農業以外の仕事に従事していても、年間労働従事日数からみて自家農業従事日数の方が多いもののことである。したがって、自家農業にわずかに従事した者でも、自家農業以外の従事日数より多ければここに含まれる。

 

  農業本業農家
   

男子生産年齢人口(16歳〜64歳の男子)がいる専業農家と第1種兼業農家のうち世帯主が農業専従(年間 150日以上の農業従事)の農家をいう。

 

標準比較法
   

実在しないが試験場のデータなどを参考としたモデル的または平均的な経営指標と比較する。


複合経営農家
   

単一経営以外の農家をいい、農産物総販売額の80%以上を占める部門がないものである。

 

  負債比率
   

資本のうち、どれくらい借入資本に依存しているかをみる指標である。負債比率は農業以外の他産業では、一般的には 100%以内と いわれているが、かなりの経営で 100%を越えていることが多い。
 負債比率=他人資本÷自己資本×100

 

変動費
   

生産量の増減に伴ってその額も増減する費用のことであり、種苗費、肥料費、農薬費、光熱動力費、小農具費、修繕費、賃借料および料金(作業委託費を含む)、生産諸材料費、購入飼料費、種付け料、診療および衛生費、作業用被服費、臨時雇用労賃、販売費(荷造運賃手数料)などで構成される。


補完関係 (共助関係)
   

経営内のある部門または作目の生産が他の部門(作目)の生産を助ける働きをする場合をいう。またこれを共助関係ともいう。原則
として、ある部門の増産が補完関係にある他部門の増産をもたらすというように、相互依存的に作用するが、しかし補完関係にはそれ
ばかりでなく一方的に結びつく場合もある。耕種と養畜部門の結びつきは前者であり、耕種と加工部門の結びつきは後者の場合である
。前者の例としては飼料作と家畜飼養部門の結びつきをみることができ、後者の例としては、野菜作と野菜の漬物などの加工部門の間
にみることができる。補完関係にある部門を可及的に取入れることが経営の合理化にとって一般に望ましいといわれる。

 

  補合関係
   

競合関係とは反対に、経営内の諸部門あるいは作目が労働力ならびに生産手段の利用を相互に補足しあい、相互に結びつく場合をいう。すなわち、労働力ならびに生産手段に対する各部門の季節的利用度がかち合わず、年間通しての利用度が高まり、費用負担部分が高まり、費用負担部門が減少したり、さらに各部門の土壌の性質に対する要求度が相互に異なることなどが補合関係を生み出す条件といえよう。たとえば、同一の農具を数種の作物がそれぞれ異なる時期に必要とする場合などは、農具の利用に関してそれらの作物が補合関係にあるという。また、地力に対する性質の違う作物の輪作もこの例である。
一般に生産期間を異にする作目は相互に補合する。例えば、水稲作と裏作麦は夏作と冬作であって、土地と労働力の利用で補合関係をもつ。補合関係による部門間の結びつきの強さを「親和力」ともいい、親和力の強い部門で経営を組織することが有利となる。

 

利益係数
   

ある生産部門の生産量を1単位増加させることによってもたらされる収益(粗収益から種苗費や肥料費など規模に比例して増加する
費用を減じたもの)を利益係数と呼ぶ。例えば、水稲の10a当たり収益が12万円であれば「水稲作部門の利益係数は12万円」であるという。

 

  利潤 (農企業利潤)
   

利潤は、土地、労働、資本を適切に結合して経営を行った農業経営活動に対する報酬であり、農業の企業性を判断する尺度として重要である。土地に対して地代、労働に対して労働費、資本に対して利子をそれぞれ支払ったあとに残る部分である。
 粗収益から生産費総額(費用合計+資本利子+地代)を差し引いたものをいい、生産に用いた自作地、自己資本、家族労働もすべて外部から調達したもの(外給費用)とみなし、それらの費用を支払った残余をいう。

 

  流動負債比率
   

負債比率が高いから、直ちに財務の安全性が悪化しているとはいえない。返済期間の短い流動負債にどの程度頼っているかの分析、また、固定負債をどれくらい借入れているかを明らかにする必要がある。農業経営では流動負債の多くは運転資金、つまり現金資金繰りとしての利用が多い。流動負債比率の目安は100%以内である。
 流動負債比率=流動負債÷自己資本×100

 

  流動比率
   

短期の借入金(1年未満)を返済するために必要な財源が確保されているかどうかをみる指標であり、次式によって求める。
 流動比率=流動資産(期首)÷流動負債(期首)×100

 

労働純収益
   

粗収益から物財費を控除し、土地と資本にその代価を支払った後に労働に対してどれだけの報酬が残るかを示したもので、労働報酬とも呼ばれる。

 

  労働生産性
   

労働のもつ生産力の程度をいい、一般に産出量をその生産に投入した労働量で除した労働量1単位当たりの産出量で示される。この場合、産出量の測定単位に物理的な量を用いたものを物的生産性といい、貨幣単位を用いたものを価値的生産性という。物的生産性は同一農産物を生産する農家間または同一農家での過去との比較に使用され、価値的生産性は、異なる農産物を生産する農家経済調査では、農業全体の生産性を表すものとして、農業労働時間10時間当たり農業純生産として表している。
 農業労働10時間当たり農業純生産(円)=(農業純生産÷農業労働時間)×10