平成18年度島原半島グリーンライフアドバイザーの会総会・研修会開催!
                                                 普及企画班 大浦主任技師


平成18年5月26日、島原半島グリーンライフアドバイザーの会総会並びに研修会が雲仙市「吾妻ふるさと会館」で開催されました。
 
 渡部会長あいさつ  奥村雲仙市長あいさつ
   


総会では2年間会長を務めた渡部ヒロ子さんが引き続き、新会長に就任、新役員体制も下記のとおり決まり、新たな活動のスタートを切りました。
 会    長  渡   部  ヒ ロ 子 さん 

【平成18年度活動 テーマ】

 1.女性農業者の声を農政に活かそう。
 
 2.家族経営協定を結んで女性も認定農業者になろう。

 3.会員相互の情報交換で連携強化に努めよう。

 4.自分たちの技術を地域に伝えよう。

 5.プロジェクト活動を充実させ、地域へ波及させよう。
 
 
         

 副会長   中   村  由紀子  さん
 副会長   川   田  と も 子 さん
 会    計   川   田  繁   美  さん
 書    記   黒   田  茂   子  さん
 書    記   坪   田  涼   子  さん
 監    事   中   岡   一  代  さん
 監    事  田   島   多  美  さん

   平 成 18 年 度 事 業 計 画
 期    日  項            目  場      所
   5月10日  役員会  島原農改会議室
   5月19日  長崎県グリーンライフアドバイザー連絡会総会・研修会  諫早市(ホテルセンリュウ)
   5月26日  総会  雲仙市
   6月30日  島原半島地区青年農業者連絡協議会総会新規就農者激励会  島原市(九十九ホテル)
   7月上旬  役員会  
   8月  指導農業士との合同研修会(意見交換会)  
 10月  島原半島地区青年農業者意見発表大会  
 10月26日〜27日  全国農業担い手サミットinながさき  長崎市
 12月  役員会  
   1月  島原半島地区青年農業者実績発表大会  
   2月  指導農業士との合同研修会  
 適宜  各プロジェクトチーム活動  

今年度も指導農業士との合同研修も計画しており、また男女共同参画社会推進に向けての活動が期待されます。

研修会では、平成16年度から行っているグリーンライフアドバイザーによるプロジェクト発表と、青年農業者の意見発表、プロジェクト発表を行いました。

青年農業者の発表では、農業に対する熱意や地域の課題を解決するためのすばらしい活動を知ることができました。                   
島原半島地区青年農業者連絡協議会機関誌「大地」創刊号 

<研修会>
○GLAプロジェクト発表
 (1) 北部ブロック「農家のかあちゃん元気が一番」  雲仙市瑞穂町:長田京子さん 
  お茶の効用について勉強会を開催した。

今後もこのテーマで「きれいなかあちゃん」を 目指して活動していきたい。

  (2)西部ブロック「おやつ作りから始まる食育」  雲仙市南串山町:田島多美さん
  子供達に「ロールポパイ」作りを通じて食育を推進している。

今年度も、実習依頼を受けた小学校に出向いて活動していきたい。

  (3)「みかんのオーナー制に参加して」  南島原市加津佐町:菅崎順子さん
  グリーンライフアドバイザーの南部ブロックで、みかんのオーナーになり、後登龍活性化委員会の活動に参加して感じたことを発表。

  (4)東部ブロック「ゆとりある農家経営を目指して」  南島原市深江町:川田繁美さん
  後継者が就農する時期になり、農業経営のやりかたについて勉強した。

「雇用のある農業経営」について事例研修をし、その内容についてまとめた。

経営者としての留意点を把握し、我が家の農業経営に生かすことを考えている。

○青年農業者意見発表
(1)「私と農」   有家町青年農業者連絡協議会:中村宏平さん 
   ・4Hクラブの加入し、自分より年下の仲間が真剣に農業に取り組んでいることを知り、まじめに仕事をするようになった。

・「付加価値の高いきゅうり作り」について考えている。→きゅうりの糖度を測定し、甘いきゅうりを出荷する。

・「買ってください」ではなく「売ってください」                  と言われるきゅうり生産農家を目指す。


    こんにちは、私は有家町4Hクラブの中村宏平です。
    私の家では、ハウスキュウリ45a、水稲150a、露地野菜50aを作る専業農家です。おもにキュウリを主体とした経営を行っています。
  私は、就農する前は、農業が嫌いで高校、大学と家から離れた学校に通うなどして全く農業に関心を持つ事もありませんでした。
  そんな私がどうして大学卒業と同時に就農したかというと、
      @ 色々な意味で融通が利く。
      A 自分の努力が収入になる。
   このような理由で就農を決めて実家に帰ってきました。
 今考えるととても甘かったなと思い出します。
 就農してからすぐは、両親に与えられた仕事をこなすだけの毎日でした。
 また、毎週のように休みを取り、夜遅くまで遊び、朝寝坊をする。そのくり返しでした。
 そんな時、4Hの先輩や後輩たちが農業について真剣な話をしているのを聞いて、私はとてもショックでした。
 私は、その会話の中で全く知らない言葉が飛びかっていて、会話に入れず、黙って聞いているだけでした。
 私より年下の後輩たちが、農業を仕事として取り組んでいるのに、遊びが本業になっている自分がとても恥ずかしく思えました。

 そこで私は、仕事に対して、目標を持つ事に決めました。
私の家では、10月から8月までの間年間2作キュウリの摘心栽培を行っています。
現在我が家の年間収量は、長崎県の平均収量を少し上回る10aあたり約25トンのきゅうりを出荷しています。
それを将来全国でもトップレベルである10aあたり30tを超える事を目標として仕事に取り組んでいくことに決めました。
 それからの私は、一日一日と仕事に対してまじめに取り組ようになりました。
目標を持つ事によって、農業が楽しく思えてくるようになり、さらに、野菜作りの基本も、徐々に理解できるようになりました。
 しかし、30tを超える目標というのが、いかに大変かと言う事も解ってきました。そこで、我が家が目標に向けてこれから何をするべきかを私なりに考えてみました。

 まず、1つ目は作業計画をたてる事です。今までは、口で「いつ頃何をする」などいっていましたが、それを年間と月別での作業計画表を作ることで、仕事内容を把握することができます。
さらに作業を分担し、一人ひとりが責任を持つことにより作業の効率アップにつながります。この事によりキュウリの手入れに有効な時間をかける事が出来ます。

2つ目は、冬場の収量をあげる事です。
キュウリは、気温や地温が低下する事によって収量に大きく影響が出ます。そのため加温機でハウス内を暖めています。
 しかし、それだけでは地温をある一定の温度に保つことはできません。そこで、ハウス周りの地中に電熱線を埋め、さらに温水を使用した点滴灌水の導入を行うことで地温の低下を防ぐ事ができ冬場の収量増加に繋がると考えています。
 
3つ目は土作りです。
現在では、硝酸態窒素や環境問題などによる食の安全や土づくりの重要性が叫ばれています。我が家では、昔から化学肥料をまったく使わない土作りを行ってきました。こうしたことで毎年安定した収量を上げてきました。この有機質資源を使った土作りを基本として、私はこれから、畜産排泄物を原料とした堆肥等の有機質資源の活用を図ることが重要と考え、畜産農家と堆肥の専属契約を結ぶことで品質の良い堆肥を安定供給でき、さらに資源循環を確立させることもできると考えています。
そして土の持つ生産力や自然循環機能を最大限に活用できる土作りをしていきたいと考えています。以上の3つの考えだけではなかなか目標をこえることは難しいと思っています。しかしこれらのことをひとつずつ実現してゆき、少しでも早く目標に近づけるように勉強していきたいと思います。

 しかし、ただ収量を増加させるだけでは、安定した収益を上げることができません。それは、近年、野菜の価格低迷さらに、原油高による重油の高騰でハウス栽培にかかるコストが増加したためです。
そこで、安定した収益を上げるためには、付加価値の高いキュウリを生産していかなければなりません。そのために私は、特別栽培農産物や,さらに有機農産物認証の取得を目指し、安全で安心して食べられるきゅうりを提供していかなければなりません。さらに販売方法においても、他産地との差別化を図っていかなければなりません。
例えば、キュウリの糖度を測り一定の甘さのキュウリだけを出荷する。このことで市場だけではなく消費者にも分かりやすい他の産地との差別化ができ、大手スーパーなどへの固定販売へ繋げていきたいと考えています。
これを実現する為には、私一人の力では出来る事ではありません。
家族、そして同じキュウリ生産組合の方々、多くの農業関係機関と連携していかなければできないことだと思っています。
 今後は、目標である30トンを超える技術を確立させ、さらに付加価値の高いきゅうりを生産していき「買ってくださいではなく、売ってください」と言われる日本一のキュウリ作りを胸に、これから家族と共に頑張って行きたいと思います。


 (2)「いただきます」から感じ見えるもの       吾妻町青年農業者連絡協議会:馬渡孝浩さん 
    ・テレビを消し、家族団らんでの食事が大切。

・消費者に生産現場を知ってもらうことが大切。

・昨年から有機認可を受けた圃場で、生姜を生産しているが、収量も少なく作付も難しい。

・対面販売で消費者と直接ふれあうことで、互いの理解を深める。

・消費者と収穫の喜びを共有したい。


 「いただきます。」この言葉をかけてご飯を食べている人は、一体どれだけいるのでしょう?。中には、テレビを見ながら食べたり、朝、時間がないからといって、朝食抜きで仕事や学校に行く人がいます。物にあふれた日本社会。コンビニやファーストフードの発展により、お金さえ出せば、食べ物がすぐ手に入る便利な世の中になっています。しかし、その状況があたりまえとなり、食べ物に対する感謝の気持ちが薄れ、簡単に食べ残しをしたりファーストフードによる栄養の偏りなどから、食生活が乱れ心や体のバランスがおかしくなり、落ち着きがなかったり直ぐキレる子供が増えていると聞きます。
まずは、家庭の中でのしっかりした食事作り、テレビを消し、家族団らんの中で、食事を楽しみ味わうことが大切なのではないでしょうか。また、頂きますの言葉もただ言うだけではなく、食べ物の命を頂く感謝の気持ちを込めて言うことにより、魂がこもり、より一層味わい深い食事になると思うのです。

食べ物に対する感謝の気持ちを持って貰うためには、まず消費者に生産現場を知ってもらう必要があると思います。消費者は20円でも10円でも安く、安全で品質が良い物を求めています。しかし、生産者側からすればそういったニーズに合った農作物を作ることは容易ではありません。私の家では昨年から有機認証を受けた圃場で生姜を栽培しているのですが、炎天下で数回にわたる除草作業や、土作り作業は手間はかかるうえに、無農薬なので収量は3分の1しかありません。また、金額についても満足がいく値が付けられないのが現状です。

私の作物の安全安心を消費者に知ってもらう方法として、まず1つは、出荷の際袋詰している野菜の中に、食卓にいて現場が想像できるような、栽培状況・環境をメモしたメッセージカードを入れていきたいと思います。
また、消費者との直接交流の場である生協祭で、対面販売を行い積極的なPR活動をしていきたいと思います。そうすることで消費者から直にクレームや励ましの声を聞き、交流を重ねる中で消費者は生産者に、生産者は消費者に感謝の気持ちが芽生え、より一層信頼関係が築いていけると思います。
実際、「馬渡さんの人参は甘かけんもう他の人参は食べられんとよ」と聞くと励みになりとても心強いのです。そしていつか、一人でも多くの消費者の方に畑に来て貰い、作物が収穫される喜びと感動を共感したいのです。そして私の農作物を健康の源として貰い、食の大切さを知って貰い「いただきます」のその先にある多くのものを感じ観てもらいたいのです。
ご清聴ありがとうございました。 


○青年農業者プロジェクト活動発表
     

「ネギ皮の水田への投入による循環型農業を目指して」
                国見町青年農業者連絡協議会:吉田 勝さん
                

           

  

    
 

T  目的


 国見町青年農業者連絡協議会では、ネギ皮の有効活用方法について、昨年より取り組み、本年は、水田に有機物として投入し、畑に還元することによる循環型農業を目指し、プロジェクト活動に取り組んだ。

  

U 方法


(1)課題解決のための具体的計画・手法

 1)栽培概要                              2)内容

            @品種:ヒノヒカリ          @ 生育調査   A収量調査

    A面積:1区2a                        B コスト(収支)


(2)活動の経過

  クラブ員で協力し、ネギ農家への意向調査、水田投入、各種調査を実施した。

  結果については、各種研究発表会で発表し、活動成果の地域への波及に努めた。

 

V 成果及び考察


  
1)ネギ皮の成分分析                                                 単位:%


    
 
ネギ皮にどれくらい窒素成分が含まれているか調べ  
   た。
     
ネギ皮には、0.242%の窒素分があり、

      1t投入した場合には、2.4kgの窒素量がある

    と換算できた。

 水分

  89.5

  窒素

 0.242

 リン酸

 0.055

  カリ

 0.269


  
2)土壌分析結果 (窒素量)                          単位:kg/10a

 

 投入前

   慣行区

 2t区

 4t区

10t区

 1ヶ月後

 0.53

 0.14

 0.25

 0.49

 3.78

 刈り取り後

  

  0.98

 0.84

 0.95

 1.05

   *元肥投入前の土壌分析では、10t区で3.78kgの窒素量が残っていた為、

    4t区、10t区では、稲を投伏させない為、元肥を無施用とした。

   *収穫終了後は、各区とも残存窒素量に違いはなかった。次の作に影響のない値であった。


   
3)施肥量                                         (10a当たり)

 

 

 

   慣行区

  2t区

 4t区

 10t区

  ネギ皮量

    無し

    2t

   4t

  10t

 元肥(窒素量)

  3.2kg

 1.6kg

  0kg

  0kg

 穂肥(窒素量)

  2.4kg

 2.4kg

1.2kg

1.2kg

         慣行施肥量 元肥:BB862 40kg/10a 、穂肥:BBヒカリNK1号 20kg/10a


 
4)生育調査

 
  草丈: 4t区がやや低くなった。                                   

株数: 4t区、10t区やや低くなった。
出穂は各区とも違いは                              

 

 

  

 5)収量調査


   
1.8mmと2.0mmのふるいで分けた。         単位:kg   単位:%

 

 2.0以上

1.8〜2.0

 1.8以下

  収量

 登熟歩合

 慣行区

 267.0

   154.3

  89.2

  379.4

   83%

 2t区

 323.8

     93.9

  41.8

  376.5

   91%

 4t区

 341.7

     89.5

  48.1

  389.8

   90%

10t区

 470.3

     46.3

  24.1

  461.9

   96%

     慣行区に比べ、ネギ皮投入区が、2mm以上の玄米が多くなった。


 
6)収支                                                                                               単位:円

 

    売り上げ

     経費

      所得

慣行区との差額

  慣行区

   82,203

   3,841

   78,362

          0

  2t区

   81,575

   2,427

   79,148

       786

  4t区

   84,456

       506

   83,950

   5,588

 10t区

 100,078

       506

   99,572

 21,210

      売り上げから肥料代を経費として引き所得を出した。

 

 (4)考察

@ネギ皮を投入しても倒伏もなく、収量も上回ったことから有機物として利用できる。

Aネギ皮の活用という面から10t投入することが可能である。

B減肥により環境にやさしい農業が展開できる。

C肥料を減らすことによりコストダウンが行える。


(5)2年間の活動成果

      @ネギ皮の有効活用方法(ネギ皮の堆肥化、水田への投入)を発表できた。

      Aネギ皮を利用し減肥栽培による環境にやさしい取り組み(循環型農業)を実現できた。

      Bネギ農家の意識を変えることが出来た。

 

W 今後の課題

  @他の野菜残さの活用方法の検討。

  A環境にやさしい循環型農業を出来ることを地域に普及させる。


☆ ホームへ