肥料取締制度概要


肥料取締法抜粋


(目的)

第1条         この法律は、肥料の品質を保全し、その公正な取引を確保するため、肥料の規格の公定、登録、検査等を行い、もって農業生産力の維持増進に寄与することを目的とする。


(定義)

第2条         この法律において「肥料」とは、植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土じょうに化学的変化をもたらすことを目的として土地にほどこされる物及び植物の栄養に供することを目的として植物にほどこされる物をいう。


2 この法律において「特殊肥料」とは、農林水産大臣の指定する米ぬか、たい肥その他の肥料をいい、「普通肥料」とは、特殊肥料以外の肥料をいう。

(特殊肥料の生産業者及びその輸入業者の届出)

第22条 特殊肥料の生産業者又はその輸入業者は、その事業を開始する2週間前までに、その生産する事業場の所在地又は輸入の場所を管轄する都道府県知事に、次に掲げる事項を届け出なければならない。


 

 1 氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事業所の所在地) 

 2 肥料の名称

 3 生産業者にあっては生産する事業場の名称及び所在地

 4 保管する施設の所在地


2 特殊肥料の生産業者又はその輸入業者は、前項の届出事項に変更を生じたときは、その日から2週間以内に、その旨を当該都道府県知事に届け出なければならない。その事業を廃止したときも、また同様とする。

(特殊肥料の表示の基準)


第22条の2 農林水産大臣は、特殊肥料のうち、その消費者が購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、施用上その品質を識別することが特に必要であるためその品質に関する表示の適正化を図る必要があるものとして政令で定める種類のものについて、その種類ごとに、次に掲げる事項につき表示の基準となるべき事項を定め、これを告示するものとする。


 1 主要な成分の含有量、原料その他品質に関し表示すべき事項

 2 表示の方法その他前号に掲げる事項に際して生産業者、輸入業者又は販売業者が遵守すべき事項


2 都道府県知事は、特殊肥料の種類を示して、前項の表示の基準となるべき事項を定めるべき旨を農林水産大臣に申し出ることができる。

 


T 肥料取締制度の概要


1 肥料の定義

肥料取締制度においては、肥料とは次のように定義されている。

@     植物の栄養とするため、土地に施用するもの。

A     植物の栄養とするため、植物の葉などに施用するもの。

B     植物の栽培に役立つよう、土壌に化学変化を起こさせるため、土地に施用するもの。

※「これは肥料ではない。」と主張したとしても、上記の@からBに該当していれば肥料取締制度の対象となり、また、「これは肥料である。」と主張したとしても、上記@からBに該当していなければ、制度の対象にはならない。

 

2 肥料の分類―特殊肥料と普通肥料―

肥料取締制度では、大きく肥料を特殊肥料と普通肥料の2つに分類している。

 

特殊肥料―@生産者の経験と五感により品質の識別ができる単純な肥料

      (魚かす、米ぬか等)

      A品質が多様で、その価値が主成分の含有量のみに依存しないため、主成分量の多少のみで一律的な評価を行うことが出来ない肥料(堆肥等)


特殊肥料のうち、たい肥と動物の排せつ物については定められた項目について、品質表示をしなければならないこととなっている。

 

 

○普通肥料―特殊肥料以外の肥料

※普通肥料は原則として公定規格が定められており、公定規格に適合していれば登録をとることができ、それによって初めて生産や輸入することが認められる。ただし、登録されている肥料のみを配合する場合には、届出で生産や輸入することができることとされている(=指定配合肥料)

 

○その他の肥料

 1の定義に当てはまる肥料で特殊肥料としては定められておらず、適合する公定規格もなく、指定配合肥料でもないものは、生産、輸入、販売のいずれでもできない。

(特殊肥料として指定されるか、公定規格が設定され、届出や登録ができるようになってから、生産や輸入することが可能になる。)

 

 

3 生産業者、輸入業者、販売業者

(1)生産業者

配合したり、加工したり、採取などの生産行為を行い、肥料を生産する者

(2)輸入業者

   肥料を輸入し、生産行為を行わずにそのまま販売する者

(3)販売業者

   肥料を販売する者で、生産業者と輸入業者に当てはまる者を除いた者

 

※注意点

@肥料を生産・輸入しても、全量自分で施肥してしまう場合(自家消費の場合)は、肥料取締制度の対象とならない。

 

A他の誰か譲渡するのであれば、お金を取って売った場合に加え、無償で渡した場合でも、この肥料取締制度に従う義務がある。

 

B譲渡することを反復継続する意図がある場合に、この制度に従う義務が生じる。

また、結果的に1回だけであったとしても、2回以上肥料を誰か譲渡するつもりでいるのであれば、制度に従う義務がある。

 

4 登録と届出

 

登録又は届出をしないと、肥料の生産、輸入、販売ができないこととなっているが、その概要は次のとおりとなっている。

 

@特殊肥料

 都道府県知事への届出

 

A普通肥料

・公定規格に適合する肥料

 肥料の種類に応じ、農林水産大臣又は都道府県知事に登録する必要がある。

a 農林水産大臣あてに登録申請する肥料

 ○化学的方法よって生産される肥料

 ○化学的方法以外の方法(採掘等)によって生産される普通肥料であって、けい酸、マンガン、ホウ素のいずれかー以上を主成分として保証するもの

 ○汚泥を含有している肥料

b 都道府県知事あてに登録申請する肥料

 ○化学的方法以外の方法(採掘等)によって生産される普通肥料であって、窒素、リン酸、加里、石灰及び苦土のいずれかー以上を主成分として保証する普通肥料(大部分の有機質肥料など)

 ○石灰質肥料

 ○都道府県をまたがっていない農協等が生産する配合肥料等

 

・指定配合肥料

肥料の種類に応じ、農林水産大臣又は都道府県知事に届出する必要がある。

a 農林水産大臣あてに届出する肥料

○化学的方法によって生産された肥料を配合する場合

○肥料として微量で足りる成分を含有している肥料を配合する場合

b 都道府県知事あてに届出する肥料

○有機質肥料のみを配合する場合

○石灰質肥料のみを配合する場合

○都道府県をまたがっていない農協等が生産する場合

 

B輸入する場合

 農林水産大臣への届出

 

5 登録の有効期間

 肥料登録の有効期間は、肥料の種類によって3年か6年になっている。

 登録した肥料を有効期間をこえて生産や輸入するためには、有効期間の更新をする必要がある。

 

6 販売業務の届出

 生産業者、輸入業者、販売業者は、事業場のある都道府県全てに届出を行う必要がある(業務開始から2週間以内)

 届け出た内容に変更があった場合や、生産・輸入・販売業務をやめた場合は、その日から2週間以内に、その旨を都道府県知事あてに届け出なければならない。

 

7 表示の義務

 肥料には、次の事項を表示しなければならないこととなっている。

(1)保証票

  普通肥料については、「保証票」をつけなければならない。

 「保証票」には、肥料の種類や名称、含有している肥料成分の量、生産や輸入した者の氏名や住所などを表示することとなる。

 

(2)「たい肥」と「動物の排せつ物」についての表示

  特殊肥料のうち、「たい肥」と「動物の排せつ物」については、品質表示をしなければならない。

  品質表示には、(1)と同様に、肥料の種類や名称、含有している肥料成分の量、生産や輸入した者の氏名や住所などを表示することとなる。

 

8 登録、届出の手続

特殊肥料の届出に必要な書類

 

1)特殊肥料生産業者届出書―2部

2)添付資料―2部

 ※生産工程・製品の形状・販売予定価格・生産する事業場の位置図等記載したもの。

3)分析証明書(写しで可)−1部

 ※分析項目(以下の@〜G)は、品質表示が義務付けられる項目だけで可

 @窒素全量 Aリン酸全量 B加里全量

 C銅全量(豚ぷんを使用し、現物1kg当たり300r以上含有する場合)

 D亜鉛全量(豚ぷん又は鶏ふんを使用し、現物1kg当たり900r以上含有する場合)

 E石灰全量(石灰を使用し、現物1kg当たり150r以上含有する場合)

 F炭素窒素比(C/N) G水分含有量

4)住民票(個人が生産する場合)または登録簿謄本(法人が生産する場合)

(写しで可)−1部

 

○普通肥料の登録に必要な書類

1)肥料登録申請書―1部

※氏名及び名称、肥料の種類・名称、保証成分量その他の規格等記載したもの。

2)分析証明書―1部

3)住民票(個人が生産する場合)または登記簿謄本(法人が生産する場合)

4)肥料のサンプル

5)手数料(県収入証書37,000円、更新の場合8,000円)

 

肥料販売の届出に必要な書類

1)肥料販売業務開始届出書―2部

2)添付書類―2部

※販売店の概要、営業所所在地を記載したもの

3)住民票(個人が販売する場合)または登記簿謄本(法人が販売する場合)