担い手対応高度技術実証事業実績(平成13〜14年度)
普及センター(支所)名:県北農業改良普及センター
1.課題名
バラの低コスト、省力化、快適化、高収益栽培技術「ソーラーローズシステム」の実証
2.目 的
近年、バラ経営は景気の低迷、輸入バラの増加で単価が低迷し、収益性が悪化している。
収益性の改善を図るためには、他産地との差別化ができる高品質なバラを、より低コストで省力生産することが必要不可欠になっている。
しかし慣行の切り上げ方式ではこれ以上の品質向上は難しく、ハイラック方式では通路が狭いなど作業性にも問題があり、また慣行の栽培方法では裁植本数が多く、改植時の種苗費の負担も大きかった。
今回、実証を行うソーラーローズシステムでは裁植本数は従来の60%となり、種苗費の大幅な削減を図れるとともに、通路を広く確保することで作業性が改善され、品質も向上し、低コスト、省力、快適、収益性の向上が期待できるため、現場での栽培技術の実証及び普及を図っていく。
3.実証圃の条件
(1)展示場所
佐世保市瀬道町827
(2)地域の概況(地形、気候、作付け条件等について記入)
佐世保市の南東部に位置し、年平均気温16℃で、水稲、みかん、なす、ブロッコリー、きく等を主に栽培 する農業地帯である。
バラについては平成元年に1.2haの施設が建設されたほか、個々にハウスを所有し栽培を行っている。 出荷は農協を通じて関西市場を主体に出荷されている。
(3)担当農家(集団)名
K H 氏
(4)担当農家の経営概況または集団の概況
水稲 20a バラ 20a
(5)圃場条件
標高:50m 土壌:沖積層 土性:砂壌土
4.実施期間
平成13年4月〜平成15年3月
5.設計の概要
(1)供試作物
バラ (品種名:ローテローゼ)
(2)供試面積
460u
(3)処理区及び処理方法
処理区(ソーラーローズシステム)360u
慣行区 100u
(4)耕種概要
@定植 平成13年4月27日〜28日
| ソーラーローズ区 | 慣行区 | |
| 条 間 | 90cm | 35cm |
| 株 間 | 30cm | 25cm |
| 畝 間 | 120cm | 80cm |
| 通 路 | 80cm | 60cm |
| 裁植本数 | 3,000本/10a | 4,800本/10a |
A施肥(10aあたり)
成分量(N-P-K) 21.6−28.8−14.4
堆肥(グリーンコンポスト) 9000g
草炭 4200g
クリノゼオライト 300kg
サンカルシウム 180kg
佐世保花卉有機配合(6-8-4) 100kg
6.調査項目
(1)収量調査
切花日、切花本数、切花長 他
(2)経営調査
収支調査
7.調査結果
(1)収量調査
@時期別切花本数


A階級別切花本数


(2)経営調査(収支試算10aあたり)


8.成果及び考察
(1)ソーラーローズシステムの導入により、上位等級率の増加、品質の向上が図れた。
特に上位等級についてはL以上(60cm以上)の割合が大きく改善されている。
(2)収量については2年間とも試験区が、慣行区を上回っている。
また試験区は1年目に出荷時期の集中がみられたが、2年目は折り曲げ時期、方法の改善で、出荷時期の集中回避が図れた。
(3)試験区については夏場における折り曲げ作業の遅れ、ラック部分におけるダニの多発などの注意が必要である。また2年目は1段目のネットの影響で株が中央部に寄ってしまうなどの問題が見受けられた。
(4)経営的には2年間とも収入、所得で試験区が慣行区を上回っており経営改善効果が見込まれる。
(5)管内では平成14年度現在、5戸、30aで本技術が取り組まれており、平成15年度についても戸数、面積とも増加する見込みである。
9.期待される効果と活用場面
(1)土耕栽培による品質の向上と収益性の改善
(2)種苗費の軽減による老朽株の更新促進
(3)収穫、調整等の作業性向上
10.残された課題
(1)仕立て方法(収穫までの仕立て、ネット、ラックの更新等)の改善による省力化
(2)適正品種の検討
※参考資料
ソーラーローズ栽培状況

写真1 ソーラーローズ折り曲げ状態 写真2 ソーラーローズ出荷直前
現場での普及状況
平成13年4月より本事業に取り組んだが、県北普及センター管内で14年度現在、5戸、30aで本技術が取り組まれており、15年度についても戸数、面積とも増加する見込みである。
表1 ソーラーローズシステム導入戸数
| 年度 | 平成12年度 | 平成13年度 | 平成14年度 |
| 戸数(戸) | 2 | 4 | 5 |
| 面積(a) | 8 | 15 | 30 |